心が変わると、学習も

どんな塾?

先生、実はオレ、分数の計算苦手やねん。教えて!

つい先日の出来事です。この春中学1年生になったある生徒が、自分からそう言ってきました。そして、講師の説明に懸命に耳を傾けました。

そんな彼は、少し前までは勉強に消極的な生徒でした。彼にとっての学習とは、分からないことを分かるようにすることではなく、簡単にできることをサクッと終わらせることでした。問題を見てちょっとでも難しいと感じると、考えもせずに「分からへん」と言っていましたし、説明を聞いても「面倒臭い」と言ってやってみようとはしませんでした。

子どもがそんな学習をするとき、その学習は必ず統制的動機づけから生じています。それは、自らの意思ではなく、しなければならないからという圧力から生じるものです。事実、彼の動機づけ診断結果には、小学生には珍しいほど統制的動機づけが高く現れていました。それは、小学1年生から進学塾で勉強させられ続けた影響なのかもしれません。

統制的動機づけから生じる学習が、深い学習になることはまずありません。彼が「できるようになりたい!」と、心からの学習をするようになるためには、統制的動機づけが和らぐ必要があります。私たちはそのための支援に注力しました。その結果、6年生の秋頃になってようやく大きく和らぎ始めました。

彼の学習行動に変化が現れ始めたのもちょうどその頃からです。なかなか学習に集中できなかった彼が、1コマずっと集中できる日が少しずつ増えてきました。一切説明を読もうとしなかった彼が、自分で説明を読んで理解しようともし始めました。また、教わったやり方が自分には分かりにくいからと、工夫して自分なりのやりやすいやり方を考えることもありました。

こういうの、もうちょっと練習したい!

冒頭のやりとりの後、彼はこう言いました。そして、講師が提案した練習に懸命に取り組みました。簡単にできることしかやろうとしなかった彼が、今は彼にとって簡単ではないことに取り組もうとしています。形だけの学習しかしなかった彼が、だんだんと、心からの学習をするように変わりつつあります。

彼がそうするのは、誰かにさせられるからでも、しなければならないからでもありません。自らの意思でそうするのです。「できるようになりたい!」彼が心からそう思うからこそ、するのです。そんなふうに心が育つ環境をつくることは、不可能なことではありません。

この記事を書いた人
中山悟志

学生時代の家庭教師のやり甲斐が忘れられず、電機メーカーでの研究職、玩具メーカーでの開発職を経て講師になりました。点数をとるだけのテクニックではなく、実社会でも役立つ力を養いたいと常々考えています。

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神戸学習院

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