「小学生の時から長く塾に通わせているのに、勉強の仕方が分かっていないんです。」
先日、大手の進学塾に通う中学生の親御様からご相談を受けました。実はこの生徒に限らず、長く塾に通っているのに勉強の仕方が身についていないという生徒は少なくありません。それは一体何故なのでしょうか?
その理由は、「自分の勉強」をしてこなかったから。これに尽きると思います。
「自分の勉強」とは、自分がやりたいと思ったり必要性を感じたりしてする勉強のことです。そんな勉強に取り組む子どもは、上手く身につかなければやり方を工夫したりアドバイスを求めたりして、勉強の仕方を改善していきます。その結果、どんどん勉強が上手になっていきます。
塾に通わせていると、塾で演習させられたり宿題を出されたりして、勉強自体はたくさんさせられます。しかし、それらは全て「させられる勉強」であり、「自分の勉強」ではありません。塾に長く通わせていても勉強の仕方が身につかないのはそのためです。
では何故「させられる勉強」では勉強の仕方が身につかないのでしょうか?
それは、「身につけること」ではなく「片付けること」が目的になりやすいからだと思います。「片付けること」が目的になってしまうと、子どもたちはできるだけ手っ取り早く片付けるために手の抜き方は工夫しますが、肝心の身につけ方の工夫はしません。だから、「させられる勉強」では勉強の仕方が身につかないのです。
ですから、早くから塾に通わせたからといって、勉強の仕方が身に付くとは限りません。むしろ「させられる勉強」のために、「自分の勉強」の機会や時間を損なっているケースさえ見られます。もしも、宿題への不満をこぼしたり、塾の前に宿題をザーッと片付けるような行動が見られたりするならば、要注意です。
しっかり勉強の仕方を身につけてほしい。そう願われるのでしたら、「させられる勉強」ではなく、「自分の勉強」に取り組めるよう支援することが重要です。そのための第一歩は、子どもの声をしっかり聞いて、子どもの考えを知ろうとすることです。
当塾では、単なる教科指導に留まらず、お子様の考えや目標を尊重し、「自分の勉強」を確立するための対話と支援を大切にしています。

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