私が子どもを怒らなくなったのは

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なぜ子どもを怒ってしまうのでしょうか。私も子どもたちと過ごしていて、つい怒ってしまうことが多々ありました。しかし、子どもを怒ることについていろいろと考えるようになってから、穏やかに過ごせるようになってきました。

少し前に読んだとある本の中で、「怒りの感情とは、言葉で説明する手順を面倒に感じた際に、無抵抗な相手を屈服させるためのより安直な手段として使われるものだ」といった一節がありました。読んだ直後は痛烈な表現だなと思っておりましたが、それまでの自分をいろいろと思い返しているうちに、なるほどなと納得できるようになりました。確かに、怒るときには相手を思い通りにしたいという気持ちがどこかで働いているように思えてきたのです。

一方、怒られる側の気持ちはどうなのでしょうか。いくら怒られたところで、怒る側の思い通りにはならないように思うのです。たとえ受け入れたかのように見えたとしても、心底受け入れようという気持ちにはなれていないのでは、と思います。このことは、多くの大人が経験していることではないでしょうか。怒られることで、子どもの目的は「怒られないこと」になると思うのです。家で親から勉強を教わっている生徒から、怒られるのが嫌で本当は分かっていないけど分かったふりをしている、といった話を耳にすることがよくあります。

思い返せば私も小学生の頃に父から勉強を教わっていたことがあり、よく怒られておりました。「この問題は一度教えただろう!なんでこんな問題がわからないんだ!」などと怒られ続けた私は、もはや勉強することよりも父から怒られないようにすることばかりを考えるようになっていました。たまたま書いた解答が当たっていて褒められたときには、達成感すら覚えたものです。当時の私にとっては、問題を解けるようになることよりも、父から怒られなくなることが到達点となってしまっていました。

「怒りは目的をねじ曲げる。」このことに気が付いてからは、怒りを抑えることができるようになったと思います。子どもたちと落ち着いて話ができるようになり、子どもたちから話しかけられることも多くなった気がします。子どもたちにとっての良き話相手となれるよう、また、子どもたちの心に届く指導ができるよう、怒りの感情は使わない大人でありたいものです。

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