「つながり」で理解は深まる

実験は好きだけど、理科は苦手という生徒が多いなと感じます。そんな生徒に共通するのは、「つながり」を捉えられていないことです。

ある塾生、N君の話です。N君は塾で理科の授業を受けていませんが、理科の点数があまりに思わしくないので、いろいろ話を聞くことにしました。N君はテスト前に学校のワークをしっかりやったと言います。しっかりとは、提出のためだけに終わらせたのではなく、わからなかった問題にチェックをつけて復習をしたとの意味だそうです。さらに、学校の授業も聞いていて分かると言いますし、実験は楽しいと言います。真面目な生徒なので、そこに疑いは全くありません。

そこで、近い時期に取り組んだと思われた電気分解の実験についていろいろ聞いてみました。すると、やはり「つながり」を捉えられていませんでした。N君は実験の手順や実験でどのような現象が起きたのかは分かっていました。しかし、どういう流れの中で、何のためにその実験をしたのか、実験結果がどのような意味を持つのかは分かっていなかったのです。つまり、N君にとって、その実験と、その前後に学習した知識との「つながり」がなかったのです。

実験「は」好きというのは、おそらく、実験を非日常のお楽しみイベントみたいなものだと感じるからでしょう。見て分かりやすい何かが起こります。1人でやるというよりみんなでやります。いつもの教室ではなく理科室でやります。このように、普段の授業とは違ったワクワクする要素が揃っています。また、示された手順通りにやるだけなので、思考の上での負担がないことも、嫌がられない要因の一つなのでしょう。

もちろん、理科が得意な生徒であっても、お楽しみイベントとして捉えている一面もあるかもしれません。しかし、理科が得意な生徒は必ず「つながり」を捉えようとします。なぜなら「つながり」が分かると、理解が深まるからです。そこで、N君にも「つながり」に目を向けてもらえるよう対話しました。たった数分のことでしたが、表情が明るくなりました。どうやら、少し理解が深まったようです。

実は、最近N君は数学の勉強方法をつかみ始めました。それは「つながり」を意識するように指導してからでした。そう、「つながり」の大切さは理科に限った話ではないのです。ただ、なかなか自分からそこに目を向けることはできません。勉強が苦手な生徒にとって「つながり」を自分で見つけることは難しいことなのかもしれません。しかし、それによって理解が深まる体験を重ねることで、だんだんと当たり前に「つながり」を求めるようになるのではないかと考えています。

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