Iくんの挑戦を支えたのは

どんな塾?

今年も高校受験が終わりました。大きな挑戦を見事に成功させた生徒の一人が、Iくんです。

Iくんが挑戦を決断した中3の2学期、彼にとってその挑戦はかなりリスクの高いものでした。当時の模試での合格度は32%しかありませんでしたし、学校の先生にもかなり厳しいと言われていたそうです。しかし、彼はそこから怒涛のごとく成績を上げました。2学期には通知簿の評定を6上げ、さらに1月から入試直前にかけての5回の模試で5計得点を70点ほど上積みできるようにもなりました。そして、見事に合格を勝ち取りました。

Iくんが大きな成績向上を成し遂げた理由は、とてもシンプルです。それは、心からの学習をしたからです。Iくんの学習には3つの特徴があります。それは、「やるべきことを考える」「じっくり考える」「分からないままにしない」です。これらは、成績を大きく上げる生徒の多くが共通してやることです。

Iくんは何をやるべきかをしっかりと考えていました。どの教材を使ってどんな練習をすれば良いか。そのことをしっかりと考えていました。以前は私たちにアドバイスを求めることも多かったのですが、次第に自分で考えられるようになっていきました。そして、「やりなさい」と言われることではなく、「やるべきだ」と思う学習に取り組むようになりました。

また、Iくんは納得のいくまでじっくりと考えました。彼は難しい問題に対していくらでも時間をかけて考えました。難しい問題ばかりの問題集を使っていた上、あまりにもじっくりと考えるので、進むスピードは本当にゆっくりでした。しかし、進むスピードはゆっくりでも、彼の理解は着実に進んでいました。

そして、Iくんは決して分からないままにはしませんでした。なぜ間違えたのか、なぜそのように考えるのか。1問1問きっちりと解決していきました。やりなさいなどとは言われなくても、自ら進んでテスト直しにも取り組みました。5教科の模試を終えた後、その日のうちに居残りでテスト直しに取り組むことは、彼にとって当たり前のことでした。

Iくんが2学期以降に成績を大きく上げることができたのは、これら3つの特徴にあらわれているような、心からの学習をしたからだと思います。では、Iくんがそんな学習をしたのはなぜでしょうか?それには大きく2つの理由があります。

1つは、無理をしなかったからです。Iくんは入試が近づいてきても、決して無理をしませんでした。学校から帰ったらいつもテレビを2〜3時間見ていたそうですし、友達に漫画を借りて読んだりもしていたそうです。自習室にやってきても1時間ほどで切り上げることもよくありました。

お子様がこのような行動を取ったならば、「入試間近なんだからもっと勉強しなさい!」と言いたくなってしまうかもしません。しかし科学的には、彼が無理をしなかったのはとても理に適っています。それは、意志の力は有限だからです。もしも彼が、テレビや漫画を我慢するのに意志の力を使ってしまったならば、学習に使える意志の力が少なくなってしまい、実際の彼ほど良い学習をすることはできなかったでしょう。

Iくんが心からの学習をしたもう1つの、そしてより大きな理由は、心の状態が良かったからです。彼の学習行動を生じた動機づけは、自律的な動機づけでした。Iくんは学ぶことを受け入れその価値を認め、そして、学ぶことを楽しんでいました。そのことは、彼の表情からも明らかでした。彼に限らず、自律的な動機づけによって学習する生徒は、必ず心からの学習をします。

1年半ほど前の入塾したばかりの頃の彼は、統制的動機づけに苦しめられていました。しかし中3の1学期には、心の状態は大きく改善していました。彼が秘める力を発揮し始めたのはこの頃からです。科目によっては何度か学年トップも取るほどになりました。そして、2学期にはさらに心の状態が改善しました。この心の基盤があったからこそ、彼は挑戦を決断し、心からの勉強に磨きをかけることができたのだと思います。

では、彼が無理をせずにいられたり、心の状態が良かったりしたのはなぜでしょうか。それは、彼が自律性を支援されていると感じていたからだと思います。Iくんのお母様が、Iくんの自律性を大切にされていることは、お話しを伺う中からよく伝わってきました。「難しくて、なかなかうまくできないんです。」そのようによくおっしゃったのは、自律性支援を意識しておられるからこそなのだと思いました。

以上のとおり、Iくんが大きく成績を伸ばして挑戦を成功させたのは、Iくんが心からの学習をしたからで、Iくんが心からの学習をすることができたのは、Iくんの自律性をお母様が懸命に支援されていたからなのだと思います。

この記事を書いた人
中山悟志

学生時代の家庭教師のやり甲斐が忘れられず、電機メーカーでの研究職、玩具メーカーでの開発職を経て講師になりました。点数をとるだけのテクニックではなく、実社会でも役立つ力を養いたいと常々考えています。

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