恐怖と、愛

自律性支援のヒント

先のGW、一人旅に行きました。そのときに、素敵な出会いがありました。出会ったのは、同じく一人旅をされていた心理カウンセラーのTさんです。Tさんは、重度の方を専門的に見ておられるそうです。

重度の方というのは、たいていが「〜すべき」とか「〜しなければならない」に、がんじがらめになってしまっているそうです。そうなってしまうと、本当はしたくないことに対してでも、ものすごく自分を追い込んでしまうそうです。その結果、体が動かなくなってしまったり、深刻な場合には自ら命を絶ってしまったりもするそうです。

Tさんは、そんながんじがらめになっている状態を「箱に入っている」と呼んでいるそうです。そしてTさんは、その箱から出るのをお手伝いされているそうです。無理やり箱からひっぱり出すことはできないので、患者さんが自ら一歩を踏み出せるように、お手伝いされるのだそうです。

箱から出るのは、多くの患者さんにとってとても難しいことだそうです。それは、箱の外に踏み出すのがとても怖いからだそうです。それまでの人生で少しずつ植え付けられた「〜すべき」や「〜しなければならない」は、その人にとっての当たり前であり、その当たり前を手放すのはとても勇気がいることなのだそうです。

実はTさんご自身も、箱の中で苦しんでいたことがあるそうです。でも、その箱から出られたことで、世界が一変したそうです。箱の中にいる頃はお母様との関係が悪く、実家には2時間いるのが限界だったほどだそうです。でも、その箱から抜け出すことで、お母様に心から感謝することができるようになったそうです。

さらに、箱から出るとだんだんと何でもありになってきたそうです。一人旅をするようになったのも、それからだそうです。Tさんは女性で、おそらく私の母と同年代なのだと思いますが、なんと今回の旅で、人生で初めてカヤックやシュノーケリングに挑戦されたそうです。

Tさんのされていることは、なんだかすごく自律性支援に似ているなぁと感じました。そこで、私たちの塾での取り組みを紹介したところ、「ステキ〜!」と、とても共感してくださいました。ただ、私たちの言葉は少し難しいなと思われたそうです。Tさんの言葉では、こう言うのだと教えてくださいました。

統制は、恐怖。

そして、自律性支援は、愛なのだと。

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